マナーモードでもアラームは鳴るのか
iPhone標準のアラームはマナーモードでも集中モードでも鳴ります。Appleが公式に明記した仕様です。鳴らないのはサードパーティの目覚ましアプリのほうで、原因は画面注視認識機能と、システムのアラームを予約していないアプリ側の作り。iOS 26のAlarmKitで何が変わったのか、確認すべき設定はどこかまで解説します。

結論から
鳴ります。iPhone標準の「時計」アプリのアラームは、消音モード(マナーモード)でも、おやすみモードでも鳴ります。Appleのサポート文書が「着信/サイレントスイッチやアクションボタンを使って消音モードやおやすみモードを有効にしても、アラームは鳴ります」と一行で片づけている、公式の仕様です。おやすみモードは集中モードの一種なので、「睡眠」でも「仕事」でも結果は同じです。それでも鳴らなかった、あるいは蚊の鳴くような音しか出なかったのなら、アラームの音を奪っているのは側面のスイッチではありません。画面を見ていると判定した瞬間に音量を落とす画面注視認識機能か、システムのアラームをそもそも予約していない目覚ましアプリか、このどちらかです。
検索してここに来た人の大半は、実のところ標準の時計アプリで困ってはいません。寝過ごさせたのは、App Storeから入れた目覚ましアプリのほうです。同じ「鳴らなかった」でも、この二つは中身がまるで別の話で、日本語の解説記事はほぼ例外なくそこを混ぜています。以下、切り分けます。
マナーモードにするとアラームも消音される?
消音されません。着信/サイレントスイッチ(アクションボタンの機種ではその設定)が黙らせるのは、他人からあなたに届くもの、つまり着信、メッセージ、アプリの通知です。アラームはあなたが昨夜みずから予約したものなので、消音の対象外に置かれています。オレンジ色の帯が見えていても、朝は容赦なく鳴ります。

集中モードやおやすみモードでアラームは鳴らない?
標準の時計アプリのアラームなら鳴ります。集中モード(睡眠・仕事・運転など)は、届いた通知をどう扱うかを決める仕組みであって、アラームを止める権限は持っていません。ややこしいのは、多くの目覚ましアプリにとってアラームの正体が通知そのものだという点です。そこでは集中モードが直撃します。
目覚ましアプリのアラームが鳴らないのはなぜ?
iOS 18までのiPhoneには、サードパーティ製の「アラーム」という概念がそもそも存在しなかったからです。App Storeに並んでいた目覚ましアプリは一つ残らず、ローカル通知とバックグラウンド再生を組み合わせた代用品でした。そしてOSには、それを黙らせる正当な権利がありました。
- 集中モードが通知を抑え込めば、通知に依存したアラームは声を出せません。
- 前夜にアプリスイッチャーからスワイプして終了させていたら、起動していないものは鳴りようがありません。
- バックグラウンドで音を流し続ける仕組みは、OSがメモリを空けるためにアプリを終了させた時点で終わります。
| iPhone標準の「時計」 | Risly | 従来のアラームアプリ | |
|---|---|---|---|
| マナーモード(消音モード) | 鳴る | 鳴る | 設定次第で鳴らないことがある |
| 集中モード / おやすみモード | 鳴る | 鳴る | 通知が抑制されると鳴らない |
| 前夜にアプリを強制終了 | 関係なし | 鳴る | 鳴らない |
| スヌーズ | アラームごとにオフにできる | そもそも存在しない | たいてい付いている |
| 土台になっている仕組み | システム | AlarmKit(iOS 26) | 通知+バックグラウンド再生 |
だからおこしてME(Alarmy)のiOS版ヘルプは、いまでもユーザーに三つのお願いをしています。マナーモードを解除しておくこと、アプリを絶対に強制終了しないこと、そしておやすみモードをはじめ各集中モードで通知を許可するアプリにAlarmyを入れておくこと(iOS 26なら「設定」→「集中モード」→対象の集中モード→「アプリ」)。ここは読み違えられがちですが、おやすみモード自体を切れとは書いていません。例外として通しておけ、という話です。手抜きではなく、当時のiOSではそれが唯一打てる手でした。代償は、夜のiPhoneが本当の意味では静かでなくなること。おこしてMEの実力と限界で書いたとおり、本末転倒の一歩手前です。
iOS 26のAlarmKitで何が変わった?
アプリが「本物のアラーム」を予約できるようになりました。Appleが公開したAlarmKitを使うと、アプリは自前で音を鳴らすのをやめ、時計アプリと同じ資格でOSに予約を入れます。鳴らす主体がアプリからシステムに移る、という一点だけの変更ですが、結果は劇的です。マナーモードを貫通し、集中モードを素通りし、前夜にアプリを消していても時間になれば鳴ります。
Rislyは「iPhoneより鳴る」のか?
いいえ、そうは言いません。標準のアラームは最初から鳴るからです。 「iPhoneと違ってマナーモードでも鳴る」と書いてある広告を見かけたら、その会社はAppleのサポート文書を読んでいないか、読者は読まないと踏んでいるかのどちらかです。
うちが言えて、かつ守れる言い方はこうです。「ほかのアラームアプリと違って」鳴る。 サードパーティのアラームが集中モードに握りつぶされたり、強制終了と一緒に消えたりする問題は現実に存在していて、Rislyが手を出したのはそこだけです。標準のアラームが元から持っていた強さを、うちの手柄にするつもりはありません。仕組みはアンチスヌーズの考え方に、細かい疑問はよくある質問にまとめています。
iPhoneのアラームの音が小さいのはなぜ?
原因は画面注視認識機能(Attention Aware Features)です。TrueDepthカメラがあなたの視線を捉えて「画面を見ている」と判定すると、iPhoneは通知音やアラームの音量を自動で下げます。Apple自身がFace IDの技術解説に「デバイスを見ているときは通知音を小さくしたりしてくれます」と書いている、意図された動作です。
ただしこのカメラに判定できるのは「目が開いているか」までで、「起きているか」ではありません。寝ぼけまなこでも判定は通ります。いちばん音量が要る瞬間に、iPhoneのほうが気をきかせて音量を下げてしまう。切るなら、Appleが案内している手順どおり「設定」→「Face IDとパスコード」→「画面注視認識機能」をオフにしてください。
iPhoneのアラームが鳴らないときに確認すること
- 画面注視認識機能:「設定」→「Face IDとパスコード」→「画面注視認識機能」をオフに。音が小さい症状はここが一番多いです。
- 着信音と通知音の音量:「設定」→「サウンドと触覚」→「着信音と通知音」のスライダを上げます。動画や音楽の音量とは別枠です。すぐ下の「ボタンで変更」がオンだと、前夜の何気ない音量ボタン操作でここが下がるので、オフにしておくと安全です。
- アラームのサウンド:時計アプリ→「アラーム」タブ→「編集」→対象のアラーム→「サウンド」。ここが「なし」だとバイブレーションだけになります。
- 接続先:Appleによれば、アラームはiPhone内蔵スピーカーと接続中のヘッドフォンの両方から鳴ります。枕元のAirPodsがアラームを丸ごと奪うわけではありませんが、音の一部はそちらに流れます。
- アプリのアラームなら:AlarmKit対応かどうかを確認。非対応なら、強制終了は厳禁で、「設定」→「集中モード」→対象の集中モード→「アプリ」でそのアプリを許可しておく必要があります。
- スヌーズ:ついでにアラームごとにオフにしておくと、寝ぼけた手が押すボタンが一つ減ります。
症状別のもっと細かい潰し方はiPhoneのアラームが鳴らないときの直し方に分けて書きました。
通知は全部消して、アラームだけ鳴らすには?
何もしなくて大丈夫です。それがiPhoneの初期状態だからです。消音モードにして「睡眠」の集中モードをオンにすれば、深夜のメッセージも通知も一切あなたを起こさず、アラームだけが時間どおりに鳴ります。この理想形が崩れるのは、肝心のアラームをシステムに任せず、一介のアプリに預けたときだけ。そして朝が弱い人ほど、よりによって弱いほうの仕組みに自分の朝を預けてしまいます。

そしてこの設定は、日本ではとりわけ効きます。令和5年の国民健康・栄養調査(厚生労働省)によれば、1日の平均睡眠時間が6時間未満の人は男性38.5%、女性43.6%。男性の30〜50歳代と女性の40〜60歳代では4割を超えています。もともと短い夜に、2時の通知は高くつきます。鳴らなかったアラームは、もっと高くつきます。
今夜は何時に寝れば足りるのか
静けさを完璧に整えても、絶対的に短い夜は取り返せません。起きたい時刻を入れてください。睡眠サイクルから逆算して、就寝時刻の候補を出します。
07:00に起きるなら、就寝時刻はこちら:
- 21:45おすすめ
- 23:15おすすめ
- 00:45
- 02:15
初期値の15分はよくある平均値であって、あなたの数字ではないので、実際の夜に合わせて動かせば上の時刻もすべて一緒にずれます。
なぜ日本ではこの疑問がこれほど多いのか?
母数が桁違いだからです。StatCounterの集計では、2026年7月時点で日本のスマートフォンの63.58%がApple製。世界的に見ても突出した比率で、「iPhone アラーム マナーモード」と夜中に打ち込む人の絶対数が、そもそも他国と比べものになりません。そこに生活動線が重なります。電車でマナーモードにして、解除しないまま帰宅して寝る。この一連の流れが、日本語圏でだけ同じ疑問を量産しています。
Rislyが向かないのはどんな人?
おだやかに目を覚ましたい人です。iOS 26以降が必要で、Android版はありません(AlarmKitがiOS 26より前に存在しないため)。設計思想としても容赦がなく、気持ちよく起きたい人には光目覚まし時計やSleep Cycleのほうが確実に向いています。標準の時計アプリで毎朝きちんと起きられているなら、それが最善です。うちは、寝坊すると本気で困る人のためのアプリです。
ごもっともな質問
iPhoneのアラームはマナーモードでも鳴りますか?
鳴ります。iPhone標準の「時計」アプリのアラームは、消音モード(マナーモード)でも通常の音量で鳴ります。着信/サイレントスイッチやアクションボタンで消音にしてもアラームは鳴る、とAppleがサポート文書に明記しています。
集中モードやおやすみモードにしているとアラームは鳴らない?
鳴ります。集中モードとおやすみモードが止めるのは通知であって、標準の時計アプリのアラームは対象外です。ただしサードパーティのアラームアプリは通知に依存していることが多く、そちらは抑制される場合があります。
目覚ましアプリはマナーモードでも鳴りますか?
アプリによります。iOS 26のAlarmKitで作られたアプリ(Rislyなど)は標準アラームと同じ扱いなので鳴ります。それ以前の仕組みのアプリは、集中モードやアプリの強制終了で鳴らないことがあり、実際にAlarmyのiOS版ヘルプはマナーモードの解除、強制終了の禁止、そして各集中モードで通知を許可するアプリへの登録(iOS 26では「設定」→「集中モード」→対象の集中モード→「アプリ」)を案内しています。
アラームは鳴ったのに音が小さかったのはなぜ?
「画面注視認識機能」が原因のことが多いです。TrueDepthカメラがあなたが画面を見ていると判断すると、iPhoneはアラームの音量を自動的に下げます。「設定」→「Face IDとパスコード」→「画面注視認識機能」からオフにできます。
アプリを終了していてもアラームは鳴りますか?
Rislyは鳴ります。AlarmKitで予約されたアラームはシステム側が管理しているので、前の晩にアプリスイッチャーからスワイプして終了させていても、時間になれば鳴ります。従来型のアラームアプリはここで鳴りません。
参考資料
- Apple サポート:iPhoneでアラームを設定・変更する方法(消音モードとおやすみモードはアラーム音に影響しない)
- Apple サポート:先進のFace IDテクノロジーについて(「デバイスを見ているときは通知音を小さくしたりしてくれます」)
- Apple サポート:iPhoneやiPad Proの画面注視認識機能のオン/オフを切り替える(「設定」→「Face IDとパスコード」→「画面注視認識機能」)
- Apple、iPhoneユーザガイド(iOS 26):iPhoneで集中モードを設定する(通知を許可するアプリは「アプリ」から指定)
- Apple Developer:AlarmKitフレームワーク(iOS 26)
- Alarmy iOS ヘルプセンター、「My alarm didn’t ring」:マナーモード、強制終了、集中モードの許可リスト
- 厚生労働省:令和5年 国民健康・栄養調査結果の概要(1日の平均睡眠時間が6時間未満の者の割合)
- StatCounter Global Stats:日本のモバイル端末ベンダー別シェア



